2026年3月19日木曜日

廣部先生退職記念談話会

新潟大学人文学部人文学科3年の渡邉望生です。2026年3月9日(月)、廣部俊也先生の退職記念談話会が新潟大学五十嵐キャンパス総合教育研究棟B255教室にて行われました。当日は、在学生や教員に加えて、多くの卒業生が参加するなど、学内外から数多くの方がいらっしゃり、教室後方に設置された寄せ書きポスターにも様々なメッセージが寄せられていました。

初めに、教員の高橋早苗先生及び近世ゼミ4年生から、廣部先生についてのご紹介がありました。高橋先生からのご紹介では「音楽R」等、近世文学以外の分野で廣部先生がご担当された授業についてのお話もあり、私自身が知らなかった廣部先生の一面についても伺い知ることが出来ました。そして、近世ゼミで卒論を執筆された先輩からのご紹介では、近世文学に興味を持ったきっかけや、卒論執筆の中で先生から学んだことなど、非常に様々なお話をお聞きすることが出来ました。
 
続いて、「戯作はやはり文学ではない」というテーマでの、廣部先生のご講話がありました。近世文学についてはこれまでの授業でも学ぶ機会はありましたが、今回のお話を通じてより深く理解すると共に、長年に渡って国文学の研究と向き合ってこられた廣部先生の「戯作」や「文学」といったものに対するお考えも知ることができたと思っています。中でも特に印象的だったのが、近現代の文学とは大きく異なる近世の戯作の意識についてお話です。「文学」という看板の元で定義づけられる古典作品や近現代の文学とは異なり、近世の戯作は古典的なものにはなり得ない、書くことそれ自体を楽しむ「遊び」である、という意識を抱えている、という説明がありました。エクリチュール、という言葉もありますが、近世の戯作はそういった意識ゆえに古典作品と意図的に距離を取っており、その距離感が表現として表れたのが「もじり」であるそうです。そして、黄表紙における自己言及の意味も、草双紙の型を保ちながら出版の営みそれ自体に読者を取り込み「これは遊びだ」というメッセージを発し続けるというところにあるのではないか、というご考察もお聞きしました。
 
個人的に、近世文学は古典とも近現代の作品とも異なる難解さがあると感じていました。しかし、今回のお話を通して、近世の作品は「文学」という言葉で括ることが困難なほどに唯一無二の魅力があるのだと再認識しました。
そして最後には、国語国文の学生(三・四年生)一同から廣部先生に花束をお贈りしました。談話会の後には、ゼミ生や卒業生の皆さんが廣部先生と和やかに歓談している姿も見られました。
 
廣部先生は本年度限りで退職されますが、私自身も廣部先生から学んだことを心に留め、国語国文の一員としてこれからの卒論執筆に取り組んで行きたいです。今回、このような場に参加させていただけたことは、私自身としても貴重な経験になったと感じています。
そして末筆にはなりますが、廣部先生、改めて、ご退職おめでとうございます。先生のこれからの時間が健やかで幸せに満ちたものとなることを、心よりお祈り申し上げます。長きに渡る温かいご指導、本当にありがとうございました。
(人文学部人文学科3年 渡邉望生)
 




2026年2月12日木曜日

「廣部俊也先生 退職記念談話会」のお知らせ

廣部俊也先生は2026年3月をもって定年をむかえ御退職なさいます。この度、廣部先生のお話を伺いながら、関係する学生、教員で語り合う場として、退職記念談話会を開催する運びとなりました。学生の皆さん、卒業生の皆さま、ふるってご参加ください。
(ひさしぶりにゼミの仲間と連絡をとってみるのはいかがでしょうか)
  • 日時:2026年3月9日(月)14:30~16:00
  • 場所:新潟大学五十嵐キャンパス総合教育研究棟(B255教室)
  • 内容:「廣部先生のご紹介」「廣部先生のお話〈戯作はやはり文学ではない〉」「交流会」 等 
※談話会後、祝賀会を行います(17:00~19:00)。
  • 会場:五十嵐キャンパス松風会館1F 旧「はまなす」 
 
談話会・祝賀会のご案内、申し込み等については、ハガキで差し上げますが、下記URLからも申し込んでいただくことができます。*出欠の別にかかわらず、ご回答をお願いいたします。
 
 
 

2026年1月5日月曜日

令和7年度 国語国文学会を開催しました

 
(人文学部3年生がブログ記事を作成してくれました。国語国文学会への参加報告です。) 
 
 新潟大学人文学部人文学科3年の半澤和奏・渡邉望生です。2025年12月6日(土)、今年度の人文学部国語国文学会が開催されました。今回は「近世文藝の魅力」をテーマとして、本学学生2名、本学教員3名の発表が行われました。(プログラムはこちらをご参照ください)

 研究発表では、学生や先生方からも質問が出され、活発な議論が行われました。

 
 初めに、近世ゼミの3年生2名による、「近世文藝の魅力」の発表が行われました。近世文藝の発展の歴史や魅力について、具体的な作品の解説などを交えながら説明がなされていました。
 近世文藝は、印刷技術の発展によって幅広い階級の人々に触れられるようになり、「俗っぽさ」や「義理と人情」の観念など、中世までの文藝にはなかった新たな価値観を生み出していったのだと思いました。〈半澤〉

 次に、三井正孝先生による「仮名草子に見る日本語史――近世初期(初期近代語)におけるコソ――」のご発表がありました。仮名草子における係助詞コソのあらわれ方やその傾向などについての分析をまとめたものとなっていました。
 私自身は近現代日本語が専攻ですが、発表では係り結びや仮名草子などの定義をはじめとして丁寧に説明していただいたため、資料と合わせてコソの位置づけやふるまいについて多くのことを学ぶことができました。また、学会という場で先生に直接質問をさせていただいたことも、大変有意義な経験になったと感じています。〈渡邉〉
 
 次に、長沼光彦先生による「谷崎潤一郎「秘密」と江戸文化」のご発表がありました。谷崎の「秘密」における東京の描写に着目し、そこに見出される江戸の風景、都市の構造について考察したものとなっていました。
 「秘密」は以前のゼミで読んだことがありましたが、その際は主人公である「私」の価値観の変化やT女の行動に対する解釈が主な論点となっていたため、今回の長沼先生のご発表からは数多くの新たな知見を得ることが出来ました。私自身も近代文学を専攻する身として、これからはより多角的な読みに挑戦して行きたいと思います。〈渡邉〉
  


 最後に、今年度をもちましてご退職される廣部俊也先生による、「近世文藝の魅力」のご発表がありました。近世文藝における「咄」と「物語」のちがいをテーマに、具体的な作品を挙げての考察や、近世の人々の独特な価値観・考え方についての説明があり、全体を通してとても興味深い内容となっていました。
 なかでも、「物語」が今後も共有されるべき存在であるのに対し、「咄」は、大方は忘却される存在であるという説明が印象に残りました。「咄」はいつか忘れ去られるからこそ、当時の人々がとりあえず書き残しておこうと思って記録をし、今では近世文藝の1ジャンルとして確立している点が面白いと感じました。〈半澤〉

 「近世文藝」は、中学校や高校の授業でも取り上げられることは少なく、学生の中には、「近世文藝」についてよく知らない人も多かったと思います。今回の国語国文学会での研究発表を通して、「近世文藝」がより身近な存在に感じられたら幸いと存じます。

2025年11月26日水曜日

令和7年度 新潟大学人文学部国語国文学会の開催について

本年度の国語国文学会(第64回)を下記の日程で開催致します。今回は、「近世文藝の魅力」をテーマとして、本学教員が多く発表する会となります。皆さまのご参加をお待ちしております。
 
【日時】令和7年12月6日(土)13:30~(受付は13:15~)
【場所】新潟大学 総合教育研究棟 1階大会議室(五十嵐キャンパス)
     総合教育研究棟の案内(新潟大学Webサイト)※地図中S10の建物です
【テーマ企画】 「近世文藝の魅力」
【発表】
  • 近世ゼミ3年生「近世文藝の魅力(仮題)」
  • 三井正孝(本学教員)「仮名草子にみる日本語史――近世初期(初期近代語)におけるコソ――」 
  • 長沼光彦(本学教員)「谷崎潤一郎「秘密」と江戸文化」
  • 高橋早苗(本学教員)「『源氏物語』と江戸の絵師」
  • 廣部俊也(本学教員)「近世文藝の魅力」
【総会】