みなさま
平成25年(2013)3月に退職した鈴木孝庸です。その後も、研究室使用を許されて(いつまでかわかりませんが)平曲・平家琵琶を中心にした考察と演誦活動を続けております。
さて、この国語国文のブログが、卒業生や退職教員も利用できること、最近ようやく知りました。そこで、このブログ利用の手始めに、私が知っている範囲内ですが、卒業生諸君の書いたものが、学界で評価・紹介されていますので、それらをここに紹介しようと思いつきました。
①「日本文学研究ジャーナル」(古典ライブラリー)第11号(2019年9月)は、「軍記物語研究の現在」という特集を組んでいます。小秋元 段「『太平記』研究はこの二十年、何を明らかにしたか」では、
佐藤邦宏(2008年3月卒業。2010年3月修士修了)の
「『太平記』の擱筆の在り方の再評価 ―細川頼之の人物形象から―」(「新潟大学国語国文学会誌」第51号。2009年9月)
が、紹介されています。
②「軍記と語り物」(軍記・語り物研究会)第56号(2020年3月)の、
大坪亮介【研究展望】『太平記』(2010年10月~2018年9月)では、
奥山剛大(2012年3月卒業。2014年3月修士修了)の
「『太平記』「序」の独自意識 ―『古文孝経』・『帝範』との比較を通して―」(「新潟大学国語国文学会誌」第55号。2015年5月)と、
「「不思議」に見る『太平記』の叙述方法」(「新潟大学国語国文学会誌」第54号。2012年12月)
佐藤邦宏「細川頼之の人物形象に見る楠正成の影響 ―『太平記』の「智謀」「草創」の語句の用例検討から―」(「新潟大学国語国文学会誌」第53号。2011年8月)
が、紹介されています。
③「軍記と語り物」第57号(2021年3月)では、
特別企画 研究展望 海外版 が組まれています。この中の
鄧力「中国における軍記と語り物研究(2010 年一月~2020年11月)」で、
楊夫高(2005年3月修士修了。2008年3月博士修了学位取得)の、
『平家物語的構想―歴史叙述与前兆事件』(2012年4月。南開大学出版社)
「『平家物語』中会戦的自然描写」(「日語学習与研究」4。2013年8月)
「『平家物語』対「長恨歌(伝)的借鍳研究」」(「天津外国語大学学報」5。2013年9月)
「『平家物語』的主題変遷与中国文学」(「東北亜外語研究」4。2019年12月)
が、紹介されています。
④ 最新刊の長坂成行 編著『校訂『太平記要覧』 付、『太平記』章段別参考文献』(2021年8月。和泉書院刊)は、貞享五年(1688)刊の『太平記要覧』(太平記の全章段の梗概を記した書)を翻刻紹介し、太平記の各章段に関わる近代の研究論文を紹介していますが、この中で新潟大学関係では三氏の論文が紹介されています。
濱﨑志津子(1989年3月卒業。1992年3月修士修了)
「太平記・巻五「中堂新常燈消ゆる事」私見 ―構想と予兆との関わり―」(「新潟大学国語国文学会誌」第33号。1990年3月)
「太平記北野通夜物語の〈因果観〉考 ―当代批判との関わり―」(「軍記と語り物」第28号。1992年3月)
遠山美紀(2000年3月卒業。2003年3月修士修了)
「将軍義詮像造形論 ―『太平記』第三部の構想との関わり―」(「新潟大学国語国文学会誌」第44号。2002年7月)
「〈賢臣〉像の虚と実 ―『太平記』巻第二十八「漢楚合戦事」を中心に―」(「新潟大学国語国文学会誌」第51号。2009年9月)
佐藤邦宏
「『太平記』における妙吉侍者と藤原有範の役割 ―足利直義の描写との関わりから―」(「新潟大学国語国文学会誌」第50号。2009年3月)
「細川頼之の人物形象に見る楠正成の影響 ―『太平記』の「智謀」「草創」の語句の用例検討から―」(「新潟大学国語国文学会誌」第53号。2011年8月)
「『太平記』の擱筆の在り方の再評価 ―細川頼之の人物形象から―」(「新潟大学国語国文学会誌」第51号。2009年9月)
まずは以上です。この紹介に関して、何かお問い合わせがありましたら、
鈴木孝庸(研究室☎025-262-7903)(e-mail:tsune75@human.niigata-u.ac.jp)までお願いいたします。