2021年12月27日月曜日

令和3年度学会発表報告(その2)

『宇治拾遺物語』の「言語」を考える授業実践 ―日本語書記史の観点による古典の教材化―

 久保祥子・磯貝淳一

 高等学校教諭(人文学部卒業生)と大学教員との共同研究・実践報告発表を行いました。『宇治拾遺物語』と『今昔物語集』、及び『日本往生極楽記』の同文説話を学習材とした授業の構想と高等学校で行った実践での成果・課題をまとめたものです。
 授業の目標は、①素材たる古典の文章上に現れる書き手の言語表現の選択意識を明らかにし、②古典の言語表現活動を文章作成の目的・場・相手意識といった観点から捉え直す。このことを通じて、③学習者が言語文化共同体と言語選択の有り様について学ぶ素材としての古典の可能性を考察する、のように設定しました。「古典の言語」を学ぶことで、自分自身の言語を知り、自らの言語生活にも自覚的になることを目指した授業は、抽象度の高い思考を要求されるものでしたが、高校生が積極的に議論し、楽しむことができる内容となりました。
 授業研究・教育実践研究を通じて、教育現場と大学との連携を深める意義を確認する良い機会ともなりました。