2026年1月5日月曜日

令和7年度 国語国文学会を開催しました

 
(人文学部3年生がブログ記事を作成してくれました。国語国文学会への参加報告です。) 
 
 新潟大学人文学部人文学科3年の半澤和奏・渡邉望生です。2025年12月6日(土)、今年度の人文学部国語国文学会が開催されました。今回は「近世文藝の魅力」をテーマとして、本学学生2名、本学教員3名の発表が行われました。(プログラムはこちらをご参照ください)

 研究発表では、学生や先生方からも質問が出され、活発な議論が行われました。

 
 初めに、近世ゼミの3年生2名による、「近世文藝の魅力」の発表が行われました。近世文藝の発展の歴史や魅力について、具体的な作品の解説などを交えながら説明がなされていました。
 近世文藝は、印刷技術の発展によって幅広い階級の人々に触れられるようになり、「俗っぽさ」や「義理と人情」の観念など、中世までの文藝にはなかった新たな価値観を生み出していったのだと思いました。〈半澤〉

 次に、三井正孝先生による「仮名草子に見る日本語史――近世初期(初期近代語)におけるコソ――」のご発表がありました。仮名草子における係助詞コソのあらわれ方やその傾向などについての分析をまとめたものとなっていました。
 私自身は近現代日本語が専攻ですが、発表では係り結びや仮名草子などの定義をはじめとして丁寧に説明していただいたため、資料と合わせてコソの位置づけやふるまいについて多くのことを学ぶことができました。また、学会という場で先生に直接質問をさせていただいたことも、大変有意義な経験になったと感じています。〈渡邉〉
 
 次に、長沼光彦先生による「谷崎潤一郎「秘密」と江戸文化」のご発表がありました。谷崎の「秘密」における東京の描写に着目し、そこに見出される江戸の風景、都市の構造について考察したものとなっていました。
 「秘密」は以前のゼミで読んだことがありましたが、その際は主人公である「私」の価値観の変化やT女の行動に対する解釈が主な論点となっていたため、今回の長沼先生のご発表からは数多くの新たな知見を得ることが出来ました。私自身も近代文学を専攻する身として、これからはより多角的な読みに挑戦して行きたいと思います。〈渡邉〉
  


 最後に、今年度をもちましてご退職される廣部俊也先生による、「近世文藝の魅力」のご発表がありました。近世文藝における「咄」と「物語」のちがいをテーマに、具体的な作品を挙げての考察や、近世の人々の独特な価値観・考え方についての説明があり、全体を通してとても興味深い内容となっていました。
 なかでも、「物語」が今後も共有されるべき存在であるのに対し、「咄」は、大方は忘却される存在であるという説明が印象に残りました。「咄」はいつか忘れ去られるからこそ、当時の人々がとりあえず書き残しておこうと思って記録をし、今では近世文藝の1ジャンルとして確立している点が面白いと感じました。〈半澤〉

 「近世文藝」は、中学校や高校の授業でも取り上げられることは少なく、学生の中には、「近世文藝」についてよく知らない人も多かったと思います。今回の国語国文学会での研究発表を通して、「近世文藝」がより身近な存在に感じられたら幸いと存じます。